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「LIVES TOKYO たべる・はたらく・わらう」出展レポ@東京ミッドタウン

 

「LIVES TOKYO たべる・はたらく・わらう」出展レポ

 

2017年9月10日に東京ミッドタウンで開催された「LIVES TOKYO たべる・はたらく・わらう」に参加してきました。

 

「LIVES TOKYO たべる・はたらく・わらう」とは

 

「LIVES TOKYO たべる・はたらく・わらう」は、毎日仕事をし、毎日ご飯を食べ、毎日楽しく笑う、そんな当たり前のことが障害などの理由で難しくなっている人々の社会環境を感じてもらうことをコンセプトにしたイベントです。当日は、ステージ上でのディスカッションや、障害を持つ人によるプレゼン、歌などのエンターテイメント要素の強いイベントが盛りだくさんでした。

今回、私たち両育わーるどのブースではthink universal.を紹介してきました。

 

 

 

Think Universal.とは?

 

「知る」から「楽しく体験して考えるきっかけに」をキーワードに、障害や障壁により分断された人と人との間にある垣根を取り払い、ユニバーサルな社会をつくっていくためのプロジェクトです。両育わーるどは、現在、このプロジェクトのとして、①障害・疾患ポスター各所展示、②障害を少しだけ疑似体験できるthink universal BOXの企画・製作を行なっています。

http://think-universal.org/

 

初めてのイベント展示

 

イベント当日は、多くの人で溢れていました。会場では、某有名企業の社長さんや総理夫人の安倍昭恵さん、芸能関係の方などをお見かけしました。イベントの規模の大きさを実感するとともに、多方面からの注目度の高さがうかがえました。

 

出展ブースでは、think universal. BOX (以下、TU BOX)トライアル版4種類(自閉症、、性の多様性、上肢障害)の体験とポスター展示を行いました。

TU BOXは、福祉の(誤解を恐れずに言えば)「暗い、ダサい、堅い」というイメージを払拭したいという意図のもと、おもちゃ箱のような、カラフルでポップな仕上がりになっています。

TU BOXには、それぞれの障害が「ほんの少し」体験できるアイテムが入っています。

 

 

 

 

 

 

例えば、自閉症のBOXには、以下のアイテムが入っています。

・視覚を一部遮断することで、日常と少し違う世界を体感できるメガネ

・聴覚過敏を体験するための収音機

・手先に制限することで日常と少し違う世界を体感できるための手袋。

これらを装着して、“変身”することで、自閉症の方の物の見方や聴こえ方が体験できるようになっています。

参加者の方には、“変身”していただいた状態で、折り紙やトランプなどのワークを体験していただきました。変身した方達からは、いつもと違う自分の状況に「ほ~」と驚きの声を漏らす方や、「うわー!難しい!」とはしゃぐ方もいました。

 

 

 

一方で、ポスターについても、多くの方から感想の言葉をいただきました。

当日は、ポスターを写真集のような形で見ていただけるように展示しました。ポスターを見た方からは「モノクロで見た目もカッコ良い」「それぞれの障害や疾患の発生率がひと目でみてわかりやすい」との感想を多くいただきました。予想以上の好反応に、ポスターの訴えるチカラの大きさを改めて感じました。

 

多くの参加者の方に、think universal.の企画に興味を持ってもらい、“変身”体験をしてもらえたことはとても良かったと思いました。きっと、その“変身”体験が、未知の「障害」に触れる一歩になったのではないでしょうか。また、“変身”後の反応を見ることで、私たちもさらなる改善点を見つけることができました。

しかし、一方で、「果たして本当に届けたい相手に届いているのか」という疑問もあります。

 

Think Universal.は誰に届けたい?

 

障害や難病の当事者以外に届いているか?

ブースには多くの方に立ち寄っていただきましたが、お話を伺ってみるとその方自身も何かしらのハンディをお持ちでした。あるいは、そのような方々を支援したり、研究しているという方が多いと感じられました。いわゆる、福祉に関わりのある人たちです。このような方々からのお褒めの言葉をいただいたからこそ、障害や疾患を知らない人々に、もっと、もっと、このBOXの存在や企画を届けたいと思いました。つまり、障害と無縁の人、あるいは障害をもつ人が身近にいながらも、障害をもつ人の実際をあまり知らない人たちです。

 

障害を持たない人に知ってもらうことが、ひいては、今後生まれてくるであろう障害を持つ人や、疾患を持つ人に対する心理的ハードルを下げることにも繋がります。少し知っているだけでも、「聞いたことのある障害だな」と思うだけで少し身近に感じませんか?

また、今は障害がなくても、将来その人自身が病気や障害を持った時に、「そういえば同じ病名の人がポスターになっているのを見かけたなぁ」と、ふと思い出すかもしれません。その時に、そのポスター自体がその人の「ロールモデル」になれば、その人の生き方に影響を与えられるのではないでしょうか。

 

think universal.の企画はまだ発展途上です。これらを、障害に関心が薄く、障害とは無縁の人々に手に取ってもらうことが「障害を知る」ことのファーストステップに繋がります。両育わーるどでは、think universal.の企画であるTU BOXにつきましても、さらなる改良を進めてまいります。そして、引き続きポスターの展示も各地で行なっていきますので、展示を希望される方は両育わーるどまで是非お問い合わせください!!

 

 

(ライター紹介)

都内大学院生

現在、都内大学院にて社会福祉の研究をしています。生まれた時から上肢に障害がありましたが、「障害者である」という意識を全く持たずに育ってきました。大学在学時から、障害をもつ人の生活や実際の姿が知られていないことに危機感を持ち、障害をもたない人に「障害を知ってもらうこと」が大事だと感じていました。「障害を知ってもらう」きっかけ作りをしたいとの思いから、現在両育わーるどの学生インターンとしてthink universal.の製作に携わる。