【10ページ】 # 私たちのことばの定義について 本書『難病者の社会参加白書2025』では、いくつかのことばについて、下記のような考えにもとづき使用しています。 ・「はたらく」について 私たちの考える「はたらく」とは、従業員、職員として賃金を得るだけではなく、共通の目的のもとに集合し、異なる価値観を交換し、学び、成長し、やりがいを対価として得ることを示します。また、それにより自己の存在意義を見出し、主体的に適職を見つけ、自己実現していきます。さらに、時間と経験を積み重ね、他者と協力して社会の変革や進歩に貢献することもまた「働く(≒傍楽)」ことの一環です。 ・「障害」と表記する理由 個々の身体や精神の機能に制限や障壁が生じた状態だけではなく、社会、行政、制度などの外的要因により阻まれている状態もまた障害であると考えるので、漢字の障害を利用しています。本白書では、最終的には執筆者にお任せしています。 ・難病患者ではなく「難病者」と表現する理由 本白書での「難病者」とは、指定難病のみならず希少疾患や難治性慢性疾患のある人たちも包括しています。 ・「難治性慢性疾患」について 指定難病や希少疾患と近しい状況にありそれらに該当しない疾患を、わかりやすく説明するための本白書独自の区分です。線維筋痛症、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群、化学物質過敏症、脳脊髄液減少症などの患者数が多い疾患を想定しています。 ※上記「難病者」と「難治性慢性疾患」について、詳しくは第Ⅰ章「難病とは」をご覧ください。