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職場における障害者・難病者の合理的配慮勉強会&オンライン報告会2024 開催報告

職場における障害者・難病者の合理的配慮勉強会

本年度は、当研究会の活動報告に加え、多様な働き方について考える機会を提供するため、職場における合理的配慮をテーマとした勉強会を実施いたしました。

障害者への合理的配慮は徐々に浸透してきた一方で、難病者への合理的配慮については理解が進んでいない現状があります。また、難病者自身が合理的配慮をどのように申し出るべきか分からないという課題もあります。本イベントでは、合理的配慮の基本を抑えることで、企業側がどのように対応すべきか、また当事者がどう考え、伝えるべきかを学ぶ貴重な機会となりました。

当日は、企業関係者はじめ、当事者、支援者、地方議員、行政職員など、さまざまな立場の方約40名にご参加いただきました。

弁護士であり、自らも難病者である青木志保弁護士をお招きし、障害者雇用促進法における合理的配慮の基本的な考え方や判例の紹介、さらに合理的配慮を支える支援や環境整備についてもお話いただきました。

講演後には、小グループに分かれてのワークショップも行い、短時間ながらも活発な意見交換が行われ、合理的配慮に関する具体的な事例やアイデアが共有され、大変有意義な場となりました。

また、研究会の活動報告として、現在制作を進めている「難病者の社会参加白書2025」のご紹介を行いました。クラウドファンディングによる支援のお願いや、白書に掲載する難病者の就労や社会参加に関する調査への協力も呼びかけました。

今後もこのような活動を通じて、難病者の社会参加や働きやすい環境の実現に向けた取り組みを進めてまいります。

多くの方々と共に、難病者がより働きやすく、社会に参加しやすい環境を築くために、一歩ずつ前進していきたいと考えています。

引き続き、皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

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⬛︎研究会スタッフの感想

・今年から研究会に参加させていただいています。就労支援員という仕事柄、合理的配慮の研修は何度も受けてきましたが、それでも青木先生のご講演は、非常に勉強になりました。第三者抜きに当事者から企業側に説明し、双方で合意形成に至ることは、自分が思う以上に難しいのだなと感じました。支援者の役割を、改めて見直す良い機会になりました。(スタッフN)

・職場における障害者・難病者の合理的配慮勉強会、とても勉強になりました。青木弁護士のお話ですが、まず、法律(制度)上は「あなたは健康です」という扱いを受け、そうすると社会通念上も「この人は健康」という扱いを受け、「アイデンティティの欠如」が更なる苦しみを生むというお話、制度の谷間に孤立することの辛さ、難病者のあるあるを実感しました。また、合理的配慮は今年から義務化されたわけではなく、障害・病気の有無にかかわらず雇用者は労働者の健康を守る義務が昔からあった、とのお話、なるほど!と目から鱗でした。合理的配慮は「やさしさ」ではない、というお話も納得!そして、合理的配慮はまず「障害・病気で困っているという状況を見える化する」ことが大切で、難病者は自分のアセスメントをしっかりとして、どうしてほしいかを言語化し、はっきり伝えること、そこからしか始まらないという点もとても重要だと思いました。そのためには伝えられる自分、つまり「アイデンティティの回復」が必要なのですね!短い時間のなかでしたが、とても学びが多く、指針が見えてきた内容でした。この学びを次へ繋げていきたいと思います。(スタッフM)

動画はこちら ※研究会の開催報告のみとなります。

「難病者の社会参加白書2025」発行に向けて、クラウドファンディング実施中です。
ご支援、よろしくお願いします。
https://readyfor.jp/projects/ryoiku2025