両育わーるどとは

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両育わーるどとは

私たち両育わーるどは、障害福祉現場での療育支援や、その過程に価値を感じた有志メンバーにより活動をスタートしました。そこでは、児童と支援者の間で信頼関係を構築しながら、時に寄り添い、時に向き合いながらの子どもたちの成長のための療育支援が、こちら側の学びや気づきに繋がっていることの実感でした。

「両育(りょういく)」という言葉は、子どもたちだけではなく、関わる側もまた成長するという概念で、共に学び、共に成長するという思いを込め、当初は、障害のある人とない人の双方の学びを意識していました。

当初は、子どもたちと支援者と民間企業社員の3者それぞれで学びを共有するプログラム作りや、法改正に伴う施設開設や運営支援などをしていました。その後、福祉現場で活動を続ける中で、次のような関係性の芽を発見しました。それは、子どもたちは、保護者・療育者・先生以外との関わりが少なく、福祉現場も福祉の範囲でしか社会との接点が持てず、地域住民や民間企業などとの関係が縁遠い状態でした。これは、子どもに限らず障害や難病の当事者や支援者なども同様で、結果的に社会との接点が限られています。

障害や難病のある人は、9人に1人ぐらいの割合でいますが、周囲に目を向けるとその比率よりも当事者と関わる機会は少ないのではないでしょうか。障害や難病のことを言い出しづらく、自分たちで抱え込みがちな社会の雰囲気がその一因になっているのかもしれません。

現場で気づいたこの課題感の解消に向けて、私たちは、当事者や支援者と、日ごろ縁のない人々や社会との接点を増やせるように、その橋渡しに取り組んでいます。

活動を通して、障害や難病のある当事者、専門家や教育関係者、そして福祉と縁のない民間の方々とも関わりを得る中で、人と人は関わることで、誰もが相互に学び合い、成長できると再認識し、22年にビジョンを一新しました。

2つの事業概要

「障害や難病を越え、互いに学び合い、
誰もが自らの望むように生きられる社会」

日本は、諸外国に比べ保健医療や社会福祉に関して、予算規模・支援制度の面で充実していると言えますが、制度の狭間で孤立する当事者もいます。また医療やテクノロジーの進展で、障害や難病であっても就労や社会参加の機会も年々増えています。一方で、特別支援学校や支援級、特例子会社など制度の充実により、結果的に分断を生む構造にもなっています。

そこで私たちは、「知らないを知る」と「社会参加をもっと身近に」というミッションを掲げ、「障害や難病を越え、互いに学び合い、誰もが自らの望むように生きられる社会」をビジョンとして掲げています。急激な時代の変化の中でも、私たちは多角的な視点を忘れず、社会参加を後押しする活動を展開していきます。主な取り組みは、障害福祉と社会の接点を増やすTHINK UNIVERSAL事業と、制度の狭間で孤立している障害や難病のある人の就労・社会参加の後押しをするTHINK POSSIBILITY事業の2つです。

私たちのことばの定義について

働くと障害と難病に対しての私たちの考え方(2024.4版)

「はたらく」

私たちの考える「はたらく」とは、従業員、職員として賃金を得るだけではなく、共通の目的のもと集合し、異なる価値観を交換し、学び、成長し、やりがいを対価として得ることを示します。
また、それにより自己の存在意義を見出し、主体的に適職を見つけ、自己実現していきます。さらに、時間と経験を積み重ね、他者と協力して社会の変革や進歩に貢献することもまた「働く(≒傍楽)」ことの一環です。

「障害」と表記する理由

個々の身体や精神の機能に制限や障壁が生じた状態だけではなく、社会、行政、制度などの外的要因により阻まれている状態もまた障害であると考えるので、漢字の障害を利用しています。

難病患者ではなく「難病者」と表現する理由

指定難病のみならず希少疾患や難治性慢性疾患のある人たちも包括しています。
両育わーるどは、障害と難病に向けた活動を行っています。
個々に向けて、理解の浸透、認知啓発、相互理解、想像・対話・行動に繋げて自分事として捉えられる状態を促進し、社会に向けて、社会における課題の認知、制度や構造の変革、選択肢が広がる状態を促進していきます。