エピソード

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30代女性・一人暮らし 突発性・治療歴6年

【診断前】
2010年の突然の頭痛が発端でした。過去に髄膜炎を経験していたのですが、その際の痛みに似ていたためすぐに大学病院で受診しました。医師との相談で髄液検査を受けたところ、髄圧が通常の半分以下だったため「低髄液圧症」と診断され、そのまま緊急入院することに。2週間ほど点滴治療を受けていましたが良くならず、何度目かの検査時に第一頸椎と第二頸椎との間に髄液漏れの所見が見つかりまして、同大学病院で頸椎ブラッドパッチを受けました。

【職場復帰】
ブラッドパッチから一ヶ月後には、派遣社員としてCADオペレータの業務をしていた職場に復帰しました。当時、頭痛は何とか生活できる程度まで落ち着きましたが、耳鳴り・頚部の強張りは残っていました。そのため、復帰後当初は時短勤務を申し入れて次のような勤務時間で身体を慣らしていきました。
一ヶ月目・・・6時間労働
二ヶ月目・・・7時間
三ヶ月目・・・8時間

その期間であっても、きつい時には空いている会議室などで身体を横にさせてもらっていました。職場の方からは、私が元気そうに見えることもあり理解が至らないお言葉をもらうこともありました(例:「もっと頑張れ!」「甘えてるだけでは?」など)。
なので、職場での心構えや工夫として次のことを気をつけました。まず、「自分にできること、できないこと」を明確にすることです。そして、症状が出てしまったときには、心苦しいながらも、絶対に身を引くという心がけです。

また、病気・症状についてどうしても理解してもらいたい場合には、『脳脊髄液減少症を知っていますか?』『怠け病と言われて』といった書籍や漫画類の一部を実際に読んで頂きました。特に漫画は読みやすいせいもあり、理解が進むようです。厳しいお言葉に対しての最終的な対応としては、励ましのお気持ちだけ受け取り、後はスルーさせて頂いています(笑)

【工夫】
身体のケア・予防方法として、次の3点に気を配っています。

まずは「水分補給」。1日に1.5~2リットルの水分を採るように意識しています。飲み物は、OS-1(経口保水液)、ルイボスティーやほうじ茶などです。(カフェインは利尿作用があるので、飲み過ぎないように成分に気をつけましょう!)。

次に、「睡眠時間」です。私は6〜8時間以内が良いようなのですが、時間だけでなく睡眠の質を高めるために、
・寝る1時間前にスプーン1杯のハチミツをなめる
・ふくらはぎのマッサージ
といったこともするようにしています。

最後に、「外出時の注意」になりますが、人が多い混雑した場所に出かける際にはヘルプマークを持参しています。リュックの真ん中といった目立つ場所に付けています。

症状の対処としては次のことを実践しています。
頭痛がある時には、とにかくすぐに横になり眠ることです。酷い痛みの場合には、近所のクリニックで点滴を受けれるように主治医に手配してもらうようにしています。そのほか、身体の痛み・強張りを感じた時には温めるために、こんにゃく湿布を貼ったり、先ほどの和みのヨーガまたは整体などで身体を動かします。

【薬について】
以前は、後述の薬物を服用してきましたが、脳髄の痛みに対して通常の鎮痛剤はあまり効果がありませんでした。むしろ身体の倦怠感が増したため、薬以外の対処法を探すようになりました。模索するなかで3年前に出逢ったのが「和みのヨーガ」というヨガで、身体と心が温まり痛みも減っていきました。結果、現在は薬をほぼ服用していません。

【現在の状態】
発症から7年目となり今ではヨガのインストラクターを始め、発症以降諦めていたダンスにも挑戦できるようになってきました。しかし「完治したのかなぁ?」と思っていた矢先の昨年末に、立ち上がれなくなるほどの頭痛に見舞われ、一ヶ月ほど仕事を休みました。

幸い再び復職できていますが、再発の不安は今も残っています…。しかし、この身体を受け入れ、わずかなサインも逃さないように気を配って生きて行こうと思っています。

治療歴:BP1回
過去の服用:ロキソニン、ボルタレン、SG、アンナカカフェイン等の鎮痛剤、デパスなどの睡眠導入剤、ロキソニンテープなど湿布薬