エピソード

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40代男性・一人暮らし 原因不明 診断まで1年半・治療歴2年

私は、スポーツ好きで、サッカーもしていて、観戦も楽しみでスタジアムまで通っていました。2013年10月にインフルエンザワクチンを接種(因果関係は不明)してから1週間動悸が続き、2週間後のサッカー観戦後に突然倒れ6カ月間寝たきりになりました。

確定診断がつかず、行政の支援を全く受けられず、ヘルパーさんやストレッチャー付きの介護福祉タクシーを自費で契約し移動手段として利用していました。制度の中でしか動けない行政の仕組みを痛感しました。その後、関西九州関東の病院を回って、ようやく確定診断に至りました。この間、診断がつかないもどかしさ歯がゆさをかなり味わいました。

仕事は、以前していた設計や手仕事的なデザインが握力や目の調子で難しくなり、体調にも波があるので、細かなデザインよりも施工を含める請負い等を増やしました。自分のようになかなか診断が付かない患者は沢山居ます。例え診断がつかなくても行政は支援していくべきだなと考えています。

まだ人生を完全に建て直せていませんが、闘病経験や以前の仕事を活かし、障害者やその家族、また世の中に役に立つ仕事を立ち上げたいです。精神面では、自分が寝たきりの頃に、ガンの闘病をしていた友人がいました。お互い、いつも励まし合ってました。
家族に対しては、闘病への理解の無さから距離を置かざるえませんでした。友人に関しても、心に余裕が無くなった自分からは多くの友人が去りました。もちろん残ってくれた友人も居ました。通院時に送迎してくれた友人も。彼らとは、より距離が縮まりました。理解されていることが一番心強いです。

また、闘病を通して知り合った患者友達も増えました。以前の自分のように辛くて、パニックになってる患者さんには落ち着くようアドバイスもしています。渦中だと、自分自身が見えなくなり、なぜ、友達や社会が、自分から離れて行くか解らなくなるのを実感しました。溺れている者同士だと助け合えないと思うんです。
通院時の旅先でも様々な友達が出来ました。飲食店や商店、宿舎など、出会うチャンスが広がりました。もちろん歩けるまで回復したお陰です。日々、ご縁に感謝しています。

障害者だからと恋愛や結婚に消極的になったり諦めることは全く無いと思います。病気になる前も自分は自信がなかったり、経済的な事とかで距離を取っていました。今では、病気を通じてやりたい事をもっとしないとと自分自身を開放していこうと生きています。

発症要因:原因不明
治療歴:BP1回、生食パッチ5回 アートセレブ1回
その他:リンゲル液、ポタコール輸液3.5年、半夏白朮天麻湯(煎じ)
社会制度の利用:国民年金の障害年金1級(高次脳機能障害)、精神障害者手帳3級(高次脳機能障害)、自立支援
生計・仕事・在学:デザイン・建築の自営業