『LIVES TOKYO 2018』出展レポート
『LIVES TOKYO 2018』出展レポート
2018年9月16日、東京ミッドタウンで行われた「LIVES TOKYO 2018 はたらく・たべる・わらう」に参加してきました。
両育わーるどとしてはTHINK BOX体験ワークショップを実施。また、代表・重光のプレゼンテーション、両育スタッフ・白石が企業様との事例紹介で登壇するなど、多くの場面で両育メンバーが関わらせていただきました。
LIVES TOKYOってなに?
「LIVES TOKYO 2018 はたらく・たべる・わらう」とは、2017年度から実施されているHands On Tokyoが主催するイベントです。
障害者を取り巻く環境や想いを知ってもらう事を目的とし、イベントには障害、国籍、年齢、性別を超えた参加者、スタッフが関わっています。
2回目の開催となる今回は「はたらく」に重点を置き、どんなバックグランド持っていてもお互いに関わりあえ、共に動き出すためにはどんなことが必要かな?どうしていったらいいかな?と考え、実践にむけてのアクションに繋げることが目標です。
THINK BOXとは
THINK BOXは、障害や疾患をちょっと体験してみるツールです。
遊びながら体験し、普段の自分との違いを感じてもらい、当事者の事をちょっと考えてみるきっかけになれたらいい、そんな想いからうまれました。
ポップなデザイン、折り紙やトランプタワーなどのゲーム、老若男女問わず、みんなで楽しんで、みんなで考えることができます。
今回の体験ワークショップでは、職場において、当事者に対しどこまでサポートしたらよいのか、もしも自分が当事者だったらどんな風に接してほしいのか、ゲームを通じて楽しみながらも考えていただけるようなコンテンツを目指しました。
当日は200名近くの方にご参加頂き、賑やかで、笑いもあり、また参加者様同士の会話も多いワークショップとなりました。
違うからこそ、会話をする
今回のワークショップでは3人一組でゲームにチャレンジしてもらいました。自閉症役、上肢障害役、健常者役をそれぞれで分担します。
普段と視覚・聴覚・触覚が異なる自閉症役の人に対してどうしたら伝わりやすいのか、両手が使えない上肢障害役の人の役割は?健常者役はどこまでサポートしよう…みなさん、声を掛け合い、試行錯誤しながら取り組んでいました。
何が難しいのか?どこがやりにくいのか?どうしたら、よりスムーズにできるのか?
順番を変え、やり方を見直し、時には周りのチームのやり方を参考にしながら、会話を重ねゲームをクリアしていく姿が印象的でした。
一般社会において、その人の障害について尋ねるのはどこか失礼な気がしてしまいます。けれど、一緒に何かをする時、その人がどうして欲しいのか、何で困っているのかを知らなければサポートは出来ません。
関わり合うその第一歩目は知識でも経験でもなく、「相手の事を知りたい」という思いから発せられる会話なのかもしれません。
「体験してみて、やっとわかる」
「見ているだけだと、なんでできないのかわからない。体験してみて初めて理由が分かった。」これは、今回のワークショップ参加者の中で多かった声です。
例えば、骨折したことがない人にその煩わしさをいくら言葉で伝えようとしても30%も伝わらないと思うのです。ある程度想像はできるでしょう。でも、「うんうん、大変だよね。でも、そこが動かないだけで身体は元気でしょ」という具合に。
けれど、実際に体験した者同士だと100%は難しいけれど、非体験者に比べればもっとリアルに想像ができる。「そうそう!腕が一本使えないと、トイレでお尻拭くのも一苦労だよね!!」って、非体験者がぱっと想像できない、けれど日常においてボディーブローのように効いてくる煩わしさに気付けたりする。
実際に自分の身体を使って感じてみる事の大切さがわかる。
けれど、それと同時に気を付けたい事もある。体験したからと言って、それは「100%相手の事がわかった」訳ではない、ということ。
THINK BOXは、その障害を持った方の多くが抱えていると言われる特徴を元に作っています。だから当然、全ての人に同じ特徴が当てはまるわけではありません。B型だからみんな我儘、というのと同じです。あくまで一般論。
それでも、何故体験してもらうのか。
それは、多くの人が日ごろ「当たり前だ、そんなもんだ」と、思っていることさえ忘れているような、常識や視点を変えるきっかけになりたいから。
障害者だから仕方ない、私たちと違うから関わらない、ではなくて、あちら側の視点から見た時、私たちはどう見えるのだろう、と立ち止まってみて欲しいから。新しい発見があるかもしれない、自分にとってもより良い未来を想像する刺激になるかもしれない。
その為に、体験して、知ってもらいたい。
同じ世界を、自分とは違う視点で見ている人がいると知ること。人の数だけ、それぞれの視点があると気付くこと。その上で、自分はどうしていくのか見極めること。
THINK BOXが、多様な視点を意識するきっかけになってくれたら嬉しいな、と改めて感じた一日でした。
Text by さきこ