アイザックス症候群
[ あいざっくすしょうこうぐん ]この疾患になる確率、日本で約1270828人にひとり。
末梢神経における原因不明の疾患。全身の筋肉のけいれんや硬直、ピクつき、しびれやこわばりなどの異常感覚や激しい痛みが起こる。汗が多く出たり皮膚の色が変わることも。症例が少なく医師からの認知も低いため、適切な診断や治療がされずに今も苦しんでいる患者が多い。2015年 7月にようやく厚生労働省の指定難病に認定された。
疾患概要・数値の出典元:「Isaacs症候群の診断、疫学および病態解明に関する研究」 (厚労省健康局資料)[2016年10月21日参照]
MY STORY
17歳の時にアイザックス症候群を発症したKさん。
しかし病名がわかったのは34歳の時。病名も治療方法もわからない長い間、
誰にも理解されない症状と戦いながら製薬会社のMRとして
トップクラスの営業成績を残したそうです。
そんなKさんが語ってくれた、希少疾患患者の実態とは?
-どのような症状がありますか?
外見からはわからないと思いますが、全身の筋肉の断続的なピクつき・けいれん・硬直、捻挫・打撲・突き指して治りきっていないような節々の痛みやこわばり、しびれ・脱力感等の感覚異常、やけどしたような皮膚の灼熱感、休息や睡眠をとっても改善されない極度の疲労感などがあります。また、手を握ったら激痛とともにそのまま硬直して開かなくなることも。健康な人が風邪をひいて高熱を出した時に感じる倦怠感や喉の痛みなどもベースとして常にありますね。
-大変だったことは?
病名がわからない18年の間、家族や医師から理解が得られなかったことです。私には一卵性双生児の弟がいるのですが、厳しい父からは「弟も両親も健康なのにお前だけ病気のわけがない。気合が足りないだけだ、我慢しろ!」と一蹴されました。藁(わら)にもすがる思いでクリニックから大学病院まで数十軒の医療機関を受診しましたが、知られていない疾患のため、ストレスが原因と診断されることがほとんどでした。少し食い下がると精神科関連の薬を出されたり、「そういう性格だからこんな病気になるんですよ」など心ない言葉をかけられたこともありました。
-18年の間、どういう気持ちで疾患に向き合っていましたか?
当時はインターネットもなかったので調べようもなく「きっとこんな病気の人間は世界に自分一人だけ。それであれば死ぬまで我慢し続けよう。」という気持ちで折り合いをつけていました。何とかやってこられたのは多くの友人がいたからです。疾患の話は特にしていませんでしたが、何気なく一緒に時間を共有してくれる学生時代からの仲間がいてくれたおかげで本当に救われました。
-ユニバーサルな社会にする上で必要なこととは?
まずは当事者が少しの勇気をもって、想いや声を伝えることです。どんな問題もその人にとって「知らない≒この世の中に存在しない」、つまりゼロなのですから。このポスターのように数字を示して身近に感じていただくこともとても大切です。そして人と人がつながり、つながったすべての人が我が事としてとらえ想像し、お互いに今できることを実践することで少しずつ社会が変わっていくと信じています。