広汎性発達障害
[ こうはんせいはったつしょうがい ]この障害をもって生まれる確率、日本で約1955人にひとり※
コミュニケーション能力や社会性に関連する脳の領域にまつわる発達障害の総称。自閉症、アスペルガー症候群のほか、レット症候群などを合む。見た目からは判断しづらい場合もあり、障害と知らずにさまざまな困難に直面する人も。親のしつけや教育の問題ではないことを理解することが重要。
※広汎性発達障害の人のうち、自閉症やアスペルガー症候群等の診断を受けていない人数。
障害概要・数値の出典元:e-stat平成26年度患者調査(政府広報オンライン)[ 2016年10月21日参照]
MY STORY
23歳の時に広範性発達障害と軽度の学習障害を抱えていると診断されたNさん。
障害がわかるまでは、乗り越えられないガラスの壁のようなものを感じていたそう。
Nさんが思うユニバーサルな社会とは?
-どんな障害ですか?わかったとき、どういう気持ちでしたか?
23歳の時に広汎性発達障害と軽度の学習障害だと診断されました。小さいころから周囲との違和感を感じていたので「あぁ、やっぱりね」という気持ちと同時に、「自分自身にやっと名前がついた」という気持ちも生まれました。名前がついて地に足がついたというか、ほっとしたような感覚です。
-まわりとの間に壁を感じることはありますか?
発達障害という名前がつくまでは、乗り越えたいけど乗り越えられないガラスの壁のようなものを感じていました。ですが、ここ最近は壁をつくっていたのは自分自身なんじゃないか、健常者と比べていることが壁をつくる原因だったのではないかと思えるようにもなりました。昔は3 mぐらいあった壁が、今は1 m くらいになって壁の向こうと握手ができるようになった感覚です。年齢を経て色々な経験をしたおかげかもしれないですね。
-ユニバーサルな社会にする上で必要なことは?
周囲とずれている人がいたとしても、周囲がそのズレを楽しめる心の余裕を持つことが大切だと思います。障害者と健常者という区別ではなく、おっちょこちょいだけど面白いよね、というふうに楽しんでいただけたら。欧米のように、日本も違いを楽しむ文化がもっと浸透したらいいですね。