オンライン報告会2023【開催報告・動画公開】
◆本イベントについて
本報告会は、難病者の社会参加を考える研究会の2022年度の活動報告を行うとともに、多様な働き方について再考するきっかけを提供するためのオンラインイベントです。
初回の開催は2021年であり、今年で3回目を迎えました。開催前には、当事者・支援者・研究者による難病入門動画や「私の難病と働く」というテーマで行われた3名の発表を事前に公開し、当日は参画企業から生まれた就労事例の発表や、弁護士やITジャーナリストをゲストに招き、合理的配慮やAI時代における働き方について掘り下げました。
当日の参加者のうち、約3割は難病の当事者であり、7割は当事者の家族や友人、支援者(企業団体)、行政職員など、さまざまな立場の方々が参加しました。休日であるにもかかわらず、本イベントにご参加いただいた皆さまに心から感謝申し上げます。当日参加できなかった方にも、アーカイブにてご視聴いただけます。
昨年と比べ、報告会に参加する当事者以外の方々が増えた点はとても印象的でした。これは、難病者の社会参加に対する関心や理解が広がっていることといえるのかもしれません。報告会では、難病者が働く上での課題や社会が提供できる仕組みやサポートについて深く考える機会を得ることができました。登壇者の本音トークやパネルディスカッションを通じて、様々な視点やアイデアに触れることができました。このような報告会や活動が継続されることを期待しています。難病者の社会参加の機会を増やし、多様な働き方の実現に向けて、さらなる前進があることを願っています。
(プロボノメンバー 藤井 愛子)
◆事前公開動画
■【入門編】「相互理解から働きやすさを形作る」~難病者の働くから~
中村 陽一 立教大学 名誉教授/東京大学大学院情報学環特任教授
阿部俊一郎 難病者の社会参加を考える研究会メンバー
田中 茂 難病者の社会参加を考える研究会 委員
■【事 例】「私の病気と働く」
奥村きせ 会社員(webライター)/下垂体機能低下症
松本広海 会社員(機器開発事業)/脳脊髄液減少症
山根優香 会社員/潰瘍性大腸炎、特発性血小板減少性紫斑病
◆イベント当日のアーカイブ動画
*第二部の登壇者の青木さんと谷田さんによる新しい取り組みはこちら(私たちのとうびょうき)
◆タイムテーブル
14:00- 開始のご挨拶
14:05- 第1部
「難病者の社会参加を考える研究会の活動報告」
14:15- 第2部【基本編】
「難病者の合理的配慮を考える」~それって差別されてるかもしれません~
14:40- 第3部【実践編】
「誰もが働ける環境づくり」~難病者の就業事例~
15:00- 第4部【未来編】
「AI時代の働き方」~働く必要はある?ない?~
15:35- 終了予定
◆イベント概要
日程 :5/20(土)14:00-15:35
参加費 :無料、500円、1000円、3000円
対象 :当事者、企業・行政の人事・経営者、患者会・支援団体
視聴方法:zoom(Peatix上にて後日ご案内します)
主催 難病者の社会参加を考える研究会
運営 NPO法人両育わーるど
後援 一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会
*途中入室・退室自由でお気軽にご参加ください
*後日こちらのYoutubeCHでアーカイブ公開予定です
*参加費は登壇者への謝礼金やイベント運営費として使わせて貰います
*無償と有償のチケットがありますのでお好きな方をお選び下さい
*本イベントの有償チケットを申し込みいただいても寄付控除などはありません
◆出演者情報
■事前公開の出演者
◎ファシリテーター
中村 陽一(なかむら よういち)
立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科教授(法学部教授兼任)
株式会社ブルーブラックカンパニー 代表取締役、立教大学名誉教授、一般社団法人社会デザイン・ビジネスラボ代表理事、社会デザイン学会会長、東京大学大学院情報学環特任教授、青森中央学院大学特任教授、神奈川大学国際経営研究所客員研究員、三鷹まちづくり総合研究所特任研究員。80年代半ばより現場と往復しつつ市民活動・NPO/NGOの実践的研究、基盤整備、政策提言に取り組む。ニッポン放送「おしゃべりラボ〜しあわせ Social Design」 パーソナリティ。
◎パネリスト
阿部 俊一郎(あべ しゅんいちろう)
会社員/難病者の社会参加を考える研究会 プロボノメンバー
山形県出身。東京都立大学大学院修了、一般企業でエンジニアとして勤務。先天性の心室中隔欠損症を患うが、幼少期の術後以降も不自由なく生活を送っている。2022年より、難病者の社会参加を考える研究会所属。
田中 茂(たなか しげる)
難病者の社会参加を考える研究会 委員
東京都出身。東京都立大学大学院修了、元世田谷区職員(市民活動推進、子ども政策、産業政策、環境対策等担当)。現在、難病者の社会参加を考える研究会所属。
■当事者事例の発表
奥村きせ(おくむら きせ)
会社員(webライター)/下垂体機能低下症
36歳で下垂体機能低下症が発覚。広汎性発達障害者でもある。ゲーム会社勤務から、書店員、ニートなどを経て、現在の障害者雇用での勤務形態に至る。社外活動として、犬の保護活動やアートでの副業なども嗜む。
松本広海(まつもと ひろみ)
会社員(機器開発事業)/脳脊髄液減少症
CADオペレータ(派遣社員)として勤務していた30代前半に特発性脳脊髄液減少症を発症。以来13年間、治療と仕事の両立を図りながら同じ職場に勤務している。現在は正社員として設計開発部署のアシスタント及びコーディネータ業務を担当。ライフワークとして、腹話術奏者、ヨーガセラピストの活動も行っている。
山根優香(やまね ゆうか)
会社員/潰瘍性大腸炎、特発性血小板減少性紫斑病
18歳で潰瘍性大腸炎、特発性血小板減少性紫斑病を発症。大学では社会福祉を学び、 2021年新卒で株式会社ゼネラルパートナーズに入社。首都圏の身体障がいのある方のキャリアプランナーとして就業中。『すべての人が自分の人生を生きていける社会をつくりたい』 と思い仕事をしている。
■当日の出演者
▼第1部
斉藤 幸枝(さいとう ゆきえ)
難病者の社会参加を考える研究会 委員
臨床検査技師で元自治体職員 保健福祉、教育行政に従事するとともに心臓病児の出産を機に、患者会活動に参加し、厚労省の審議会の部会員も務めた。患者会活動により、難病患者の就労の重要さと必要性に気づき、この研究会に参加している。
▼第2部
青木志帆(あおき しほ)
弁護士/社会福祉士
6歳の時に脳腫瘍の手術を受け、その後汎下垂体機能障害等の難病とつきあいながら生活している。2015年に明石市役所に入庁し、障害者配慮条例などの障害者施策に関わる。(2023年3月に退職し、現在は明石さざんか法律事務所所属)。著書に『相談支援の処「法」箋―福祉と法の連携でひらく10のケース―』(現代書館)2021
谷田朋美(たにだ ともみ)
会社員/難病患者/難病者の社会参加を考える研究会メンバー
15歳の時にインフルエンザに似た体調不良に見舞われる。以来、四六時中症状が続いており、病院を点々とするが原因不明。大学卒業後、新聞社入社。28歳の時に3年間休職。症状との折り合いをつけながら、現在も仕事を続けている。
▼第3部
◎ファシリテーター
真野 俊樹(まの としき)
中央大学大学院教授 多摩大学大学院特任教授 名古屋大学未来社会創造機構客員教授 医師
難病者の社会参加を考える研究会 座長
内科医から社会課題をビジネスの手法で解決するお手伝いをするために、ビジネススクール等で教鞭をとる。また、難病者の社会参加を考える研究会にて座長を務める。
◎パネリスト
小野 貴也(おの たかなり)
ヴァルトジャパン株式会社/難病者の社会参加を考える研究会 委員
大分県出身。製薬会社のMR従事中に、障がいや難病のある方の活躍機会・賃金における社会問題に衝撃を受け、2014年に起業。障がいや難病を抱える就労困難者に特化した仕事の受発注プラットフォーム「NEXT HERO」を運営し、約1,500万人の就労困難者がビジネスの市場で大活躍できる新たな仕組みづくりに取り組んでいる。著書に『社会を変えるスタートアップ~「就労困難者ゼロ社会」の実現』(光文社新書)がある。
森岡 秀樹(もりおか ひでき)
株式会社世田谷サービス公社 第二事業部長 ICT推進部長
障害者雇用推進事業の部長を務める。障害者の「雇用の質」向上のため、「障害者雇用推進計画(2023年度~2025年度)」を策定し、障害者の社会参加の促進と経済的自立の支援を行っている。今期、障害者雇用率に反映されない、障害者、難病者の方に積極的に就労の機会を提供し、能力を生かし、働くことのできる環境整備を進めている。』
▼第4部
湯川 鶴章(ゆかわ つるあき)
AI新聞編集長
米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。
斉藤 幸枝(さいとう ゆきえ)
難病者の社会参加を考える研究会 委員
(第一部発表者)
重光 喬之 (しげみつ たかゆき)
NPO法人両育わーるど/難病者の社会参加を考える研究会 発起人/脳脊髄液減少症
20代半ばで脳脊髄液減少症を発症し、2度の退職を経て2012年にNPO法人両育わーるどを設立する。2018年に制度の狭間で孤立する難病者の選択肢を増やそうと、難病者の社会参加を考える研究会を立ち上げる。趣味はSF小説と曲作り、疼痛によりせっかちさと円形脱毛症に拍車が掛かる。
▼全体司会
平田知子(ひらた ともこ)
会社員/NPO法人両育わーるど
大学時代に学生インターンとして参加。会社員として働きながら、社会人メンバーとして運営やTU事業を行tp