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【231023】第二回難病者の社会参加を考える議員勉強会 開催報告

開催報告

8月4日に開催した第一回目の難病者の社会参加を考える議員勉強会では、参加者の中で次の定例会で質問をしたいという声も生まれました。

勉強会をきっかけにその後の9月定例会で一般質問された3名の質問を中心に、難病について質問をする議員が増えることを願い、第二回を10月23日に開催しました。

今回も、前回同様、自治体議員と協働で企画運営を行いました。

当日は14名のご参加を頂き、第一部では、8月の勉強会を経て、9月議会で難病を巡る制度や就労、社会参加について一般質問された地方議員3名からの報告と取組事例として、第2部では兵庫県明石市の難病者雇用の取組について具体例をお話し頂いた上で、第一部登壇者とのパネルディスカッションを行い、第3部では、参加者みなさんでグループディスカッションを開催しました。司会進行は袖ケ浦市議会議員の伊東あきら氏です。

第一部は鹿嶋市議会議員 佐藤信成氏、目黒区議会議員 たぞえ麻友氏 三次市議会 徳岡真紀から報告がありました。

佐藤議員からは、
ご自身も身体障がい者であることから、難病患者に対する機運醸成を狙い、自治体職員、議員はもちろん広く市民に知っていたくこと、第7期障害福祉計画に難病について反映していただくための質問とした。難病患者のことが、議会でこれまで取り上げられることがなかったということもあり、ぜひ議員の皆さんに難病について質問に取り上げていただきたいとお願いされました。

目黒区議会のたぞえ麻友議員からは、
就労支援はまだまだ区議会としてハードルが高いので、難病の定義などを知ってもらうための質問としたが、期待以上の答弁に驚いたとのことでした。

先般提出された厚労省の方針を知らない担当課もあったので、ちゃんと伝えることが大切だと感じたとのこと。計画策定にあたってのアンケート調査で指定難病者が対象となっていると思うが、もう少し広げていただきたいと伝えたとのことでした。

今後の展開として、難病講演会の再開催、難病支援のリーフレットの作成、災害支援の情報についてもホームページに掲載していきたいなど、様々な取り組みを行っていくという期待以上の前向きな答弁があったとのことです。11月からは目黒難病カフェが始まるそうです。

三次市議会の徳岡からは、
福祉計画に難病という文言がない自治体がほとんどの中で、三次市には難病と記載されていることもあり、第7期の福祉計画に難病者の社会参加についてなんとか難病者の施策について具体的に入れることができないか、また多くの方に難病者の社会参加への困難をしってもらう目的で質問したが、あまり具体的に良い答弁はもらえなかったが難病について知っていただくきっかけにはなったであろうとのことでした。

そして明石市職員の障害者雇用に関してのお話しがありました。
明石市では、平成25年から法定雇用率の引き下げ等のが行われたことをきっかけに、障害者採用を本格化し、平成27年に障害者手帳に関係なく、難病者にも門戸を広げて採用し、障がい者の社会参加を促し、その際93名の応募から6名の難病者が応募された。さらに令和5年にも難病者も含めて募集している。これまでにも合理的配慮を行いながら、難病者を2名採用の実績がある。まださまざまな課題はあるが、これからもみんなが住みやすいやさしいまちをと取り組んでいくとのことでした。

パネルディスカッションでは、

  • なぜ難病が議会で取り上げられてこなかったのか。
  • 地方行政から難病者の就労・社会参加に対してどのあたりから進めていけるか

の二つのテーマでディスカッションしました。

テーマ①では、難病の定義のわかりにくさ、障がい者と難病者の違いが認知されていない、難病が都道府県の管轄ということもあるのでは、また、一見難病だとわからない、難病への理解が薄いため。難病の組織が少ない等の理由があるのではとういう意見が出ました。

テーマ②では、これまでの意見聴取の中では、困りごとへの質問だったが、難病の方が働きたいけれどどうしたらよいかというような相談があったときに受け皿をつくっておくことが大切。難病カフェの取り組みのように、難病の方が気軽に話ができる居場所があるとよいと思った。また、難病があっても働けるんだということを知ってもらうことや、雇用体制の制度の改正が必要なのではとの意見がありました。

第3部ではグループに分かれてのディスカッションでした。

参加者の中から自分の議会でも取り上げたいとの声もいただき、同時多発的に質問がでれば、大きなうねりになり、メディアも取り上げやすいのでは、質問することで行政も何かしら動きが出てくるから質問はしたほうがよいのでは、またこういう勉強会で情報共有をしていくことが重要だと感じたとの意見が出ました。

私は重光さんに出会うまで、難病について、難病者の社会参加についてほとんど何も知らない状態でした。難病者の社会参加の白書を拝読させていただき、私たちの当たり前が難病者の皆さんには非常に困難があることも知りました。また、指定難病以外の難病者さんがいらっしゃることや現状も初めて知りました。

今回の勉強会で、誰一人取り残されないやさしいまちにしていくには、議会でとりあげることからそれぞれの市町で難病について関心をもつ人を増やしていくことから始まり仕組みの構築や取り組みなどにつながっていくのではと期待を感じました。

難病について自分で勉強するには難しいこともあろうと思います。定期的にこういった勉強会を続け、より多くの自治体で声をあげにくい難病者の声を拾い、伝えていくことで社会を変えていくことが議員の役割だと改めて感じました。

今回の報告者3名に共通して、それぞれの自治体で「難病」について一般質問で取り上げたことが初めてであったことは、これまでとりあげられなかったことに驚くとともに、いかに、難病がまだまだ社会的に認知されていない状況かということを広く知って頂けたことは、地方議会でできる1つの取組として大きな一歩だったと思う。

また、議員としても、市民の声を拾う上で、これまで取りこぼされてきていた課題として、とりあげやすいのではと感じた。

そのためか、行政も前向きな回答が多く、3市議会では、現状の枠組みでは取組が難しいこともありながらも、行政として取り組めることは積極的に取り組んでいきたいという方向性出会ったかと思う。

三次市議会 徳岡真紀

RDD 2024 世界希少・難治性疾患の日について

本議員勉強会は、「Rare Desease Day(通称RDD・世界希少・難治性疾患の日)」の記念イベントとして開催されました。

希少・難治性疾患とは、患者数が少ないことや、病気のメカニズムが複雑なことなどから、治療・創薬の研究が進まない疾患を指します。 Rare Disease Day (世界希少・難治性疾患の日、以下RDD)は、より良い診断や治療による希少・難治性疾患の患者さんの生活の質(QOL)の向上を目指して、スウェーデンで2008年から始まった活動です。 現在は述べ100カ国でRDDが開催されています。日本では、2010年の東京開催を皮切りにして、毎年着実に開催地域が増えています。 来場者・参加者は、患者・家族や関係者に加え、医療従事者、医薬品研究開発者、これから本領域にて研究開発を志す方々、そして一般の皆様まで多種多様です。 RDDは、希少・難治性疾患患者・家族と一般社会をつなぐことのできる企画として、年々その認識度・重要度が高まっています。
(RDD JAPAN HP より引用)

RDDのパネル一覧は、下記リンクをご参照ください。
https://rddjapan.info/2024/panel/

イベント案内

8月4日の第一回勉強会に続き、パブリック・ラボ、ひろしま議員女子会、女性議員を増やす会 なないろの風と共催で議員勉強会を開催します。前回は、議員25名に参加いただき、その後有志の議員9名と議会質問について検討しました。9月の地方議会では、5つの自治体で難病や就労に関する一般質問(鹿嶋市、北区、津山市、三次市、目黒区)がされました。


今回は、前回の勉強会を経て一般質問をした地方議員3名に加えて、明石市の職員さん※にもご登壇いただき事例共有、そしてグループディスカッションも行いますので奮ってご参加ください。

※明石市では、難病患者も含めて任期付短時間勤務の募集をしました。

(前回の告知文再掲)
 難病を抱える人は、日本に 700 万人以上いると推定されています。この人数は、障害者手帳保有者 727 万人(平成 30 年度福祉行政報告例及び衛生行政報告例より)とほぼ同数に相当します。 難病者は皆、終わりの見えない治療と日常生活の両立、学校や職場での人間関係、生活費や医療費に充てる収入、恋愛や結婚などに困難や悩みを抱えています。
 障害や指定難病でもまだ支援が足りない状況ですが、「難病」については国の制度の狭間で支援が進まないだけでなく、当事者が声を挙げられる状態にない、問題が知られていない、などの理由でこれまで地方議会でもテーマに掲げる人が少ない現状があります。国の制度がないからこそ、自治体の出番です!また、厚生労働省は「障害福祉計画及び障害児福祉計画を定めるに当たっての基本的な方針」の中で、「障害者総合支援法に基づく難病患者への支援の明確化」を打ち出していることから、今後の計画改訂で「難病」への対応を自治体が行なっているかを議会でチェックすることも必要です。
 難病への基本的な知識、そして議会でできることをお伝えしつつ、一緒に考えていく時間も設けています。勉強会への参加、お待ちしています。

*本勉強会では医療・福祉基盤ではなく、就労・社会参加をテーマとしています。

■開催時期
2023年10月23日(月)20:00〜21:30

■実施形態
・オンライン(Zoom)
・アーカイブ録画配信

■対象者
・全国市区町村・都道府県の現職議員
・議員経験者
・議員インターン
  
■プログラム
1、一般質問をしてわかったこと、また質疑の内容など(20分)
  鹿嶋市議会議員 佐藤信成 氏
  三次市議会議員 徳岡真紀 氏
  目黒区議会議員 たぞえ麻友 氏
2、市の就労事例について(10分)
  明石市総務局職員室長 中原一憲 氏
3、パネルディスカッション(20分)
4、グループディスカッション(30分)

■運営
・主催:難病者の社会参加を考える研究会
・共催:パブリック・ラボ、ひろしま議員女子会、女性議員を増やす会 なないろの風

■参考資料・動画
難病者の社会参加白書
難病×働くを可視化するはたらく難病ラボ
難病のある人の雇用に関する全自治体調査2022
第1回勉強会の開催報告